蔵元概要
蔵元名:千代酒造株式会社
所在地:奈良県御所市大字櫛羅621番地
代表者:堺 哲也 (代表取締役)
杜氏:堺 哲也
創業年:1873年(明治6年)
生産石数:800石
代表銘柄:千代(ちよ)
蔵の歴史
明治時代に創業した酒蔵を1935年(昭和10年)に引継ぎ、千代酒造としての歴史がスタートしました。現在、蔵元杜氏を務める堺哲也氏は1995年より当蔵に入り、2006年に杜氏に就任しました。2007年には、それまで続けてきた大手酒造会社への桶売りをやめ、自社ブランドのみで再出発を果たします。また、1995年より自社田での山田錦栽培を始めており、2020年には耕作面積が3.8ヘクタールまで広がりました。ここ数年は「農業と熟成」をテーマに、新しいスタイルの酒蔵を作っていきたいと試行錯誤しています。米作りは採算が悪く手間も掛かり、熟成についてもスペースを取るため費用の面でも大変ですが、適度に熟成した稀少性のあるお酒の美味しさが認知された時、日本酒の浪漫がもっと世界中の方々に届くと信じています。今後も農業と酒造りを融合させた酒蔵を目指していきます。
蔵の環境
当蔵のすぐ西側には標高950メートルの葛城山(別称=篠峯)があり、伏流水を自社井戸で汲み上げ、仕込み水や洗い水として利用するだけでなく、生活用水にもこの井戸水を使用しており、豊富な天然水が酒造りと生活を支えています。また、蔵の周りに広がる自社田と借り受けた御所市櫛羅地区の田んぼで自作した山田錦を原料米として使用し、地元風土を表現するお酒を醸しています。
酒質の特徴
後口が綺麗でスッキリとした、飲み飽きず食事に合わせやすいお酒を目指しています。
酒造りへのこだわり
お酒のベースは水ですが、米が味わいを左右する大きなファクターです。田んぼでの農業を突き詰めることにより、原料米の重要性を感じ取ることができれば、自然と目指す酒質が決まります。また、精米時に複数の米が混同することを避け、それぞれの原料米の個性を活かした酒造りを大事にしています。米の力を引き出す麹造りを行い、しっかりと米を溶かし、「分かりやすく美味しいお酒」ではなく、「体が美味しさを感じることのできるお酒」を醸しています。
杜氏より一言
一口の美味しさではなく、二人でワンボトル(720ml)を飲み切った時の美味しさを目指しています。
銘柄の由来
蔵名を冠した銘柄「千代」は、主に地元限定で流通しています。